駆け出しWebデザイナーが案件を取れるようになるまでにやったこと

Webデザインスクールを卒業後、どう立ち回ったらいいの?という方に向けて、実際に私が案件を獲得できるようになるまでにやったことをまとめました。
クラウドワークスに登録して、提案を10件送っても、20件送っても、採用されない。毎日ポートフォリオを眺めながら「何がダメなんだろう」とひとりで悩んでいた時期が、私にもありました。
でも今は、クライアントからご依頼をいただける状態が続いています。何が変わったのか。スキルが突然伸びたわけでも、フォロワーが急増したわけでもなく、「動き方の順番」を変えただけでした。
この記事では、私が実際にやってきたことを時系列でそのままお伝えします。うまくいったこと、うまくいかなかったこと、どちらも正直に書いています。「子育て中でも」「人脈がなくても」案件を取れるようになった流れを、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まず、私のスペックをお伝えします
「どんな人が書いているの?」というのは気になるところだと思うので、最初に自己紹介をさせてください。
・年齢:38歳、主婦
・家族構成:夫・小学生の子ども2人
・在住エリア:東京まで電車で1時間ちょっとの郊外
・Webデザイナー歴:3年
いわゆるベッドタウン的なエリアです。都心ほどではないけれど、探せば近隣エリアで交流会やセミナーは開催されていました。ちょっと足を伸ばせば参加できる機会は十分あります。
スクールはオンラインで受講し、子どもが学校に行っている時間が主な作業時間。フルタイムで動けるわけでも、毎日自由に外出できるわけでもない状況からのスタートです。
同じような環境の方に「これなら自分でもできそう」と思ってもらえたら嬉しいです。
まずやったこと①:ポートフォリオを作った
スクールを卒業してすぐ、「まずはポートフォリオを作らないと始まらない」と思って取りかかりました。
最初は「実績がないのにポートフォリオなんて作れるの?」と不安でしたが、実績がない段階でも自主制作物を掲載することができます。架空のカフェのホームページを作ったり、好きなブランドのリデザイン案を作ったりして、少しずつ作品を増やしていきました。

ポートフォリオに載せた6つのこと
試行錯誤した結果、クライアントに伝わりやすいポートフォリオには以下の内容が大切だとわかりました。
①自己紹介と得意なこと:どんな人で、何が得意かを簡潔に
②制作物の画像:スクリーンショットでもOK、複数掲載する
③制作のこだわり・ポイント:なぜそのデザインにしたかを一言添える
④使えるツール・スキル:Figma・Illustrator・WordPressなど明記
⑤対応できる業務範囲:デザインのみか、コーディングも対応できるかなど
⑥連絡先・問い合わせ方法:気軽に連絡できるよう導線を設置
ポートフォリオはウェブサイト形式が理想ですが、最初はNotionやCanvaで作ってもOKです。「完璧になるまで待つ」より、7〜8割の完成度でまず公開してしまうほうが結果的に早く動き出せます。
次にやったこと②:サービス内容をわかりやすく整理した
ポートフォリオを作ったはいいものの、当初は「Webデザインできます」とざっくりした打ち出し方をしていました。
しかしこれが問題でした。クライアントの立場から見ると、「Webデザインって何をしてくれるの?」「自分の悩みを解決してくれるの?」がわからない。つまり、「何をお願いできるか」が伝わらないと、問い合わせすらしてもらえないのです。
サービス内容を整理した結果、変わったこと
そこで、「Webデザインできます」ではなく、以下のように具体的に分けて打ち出すようにしました。
・ランディングページ(LP)制作:集客や販促用の1ページサイト
・名刺・フライヤーデザイン:紙ものの販促物
・WordPress構築:更新・ブログ投稿ができるサイト
・バナー・SNS用画像制作:SNSやサイトに使う画像全般
サービスを細かく分けて「こんな悩みがある方向け」という形で伝えるようにしたところ、「ちょうどLPを作りたかった」「名刺のデザインをお願いしたい」という具体的な問い合わせが少しずつ来るようになりました。
自分が「何でもできる」を目指すより、「あなたのこの悩みを解決できます」と具体的に伝えることが、問い合わせにつながるポイントです。
クラウドソーシングに登録したが、なかなか採用されなかった話

ポートフォリオとサービス内容を整えて、次に登録したのがクラウドワークスとランサーズです。
「これだけ準備したんだから、あとは提案するだけ!」と意気込んでいたのですが、現実はそう甘くなかったです。
提案を送っても、採用されない日々
1週間で10件提案して、採用0件。2週間で合計20件提案しても、採用されたのは1件だけ。しかもその1件は、相場より大幅に低い価格での受注でした。
「なぜ選ばれないんだろう」と悩んで提案文を見直してみたところ、問題が2つわかりました。
まず、提案文がテンプレートのコピペになっていたこと。「〇〇の案件を拝見しました。ぜひ担当させてください」という文章は、他の多くの応募者も送っているため、目に留まりません。
次に、プロフィールが薄かったこと。顔写真なし・自己紹介も2〜3行・実績も少ない状態では、クライアントから見たときに「この人で大丈夫かな?」という不安が先に立ってしまいます。
改善した提案文のポイント
気づいてからは、毎回の提案文に「相手の案件への具体的な言及」を必ず入れるようにしました。
「〇〇のような雰囲気を目指したいとのこと、私はミニマルで読みやすいデザインが得意で、◇◇のようなサイトを自主制作した経験があります」という形で、相手のニーズと自分の強みを結びつけて書くようにしたところ、採用率が少しずつ改善されていきました。
また、案件が公開された直後に提案を送るほど目に留まりやすいことも実感として学びました。通知設定をこまめに確認する習慣をつけると、スピードで差がつけられます。
クラウドソーシングで正直思ったこと
クラウドソーシングは、最初の実績を作るには有効な場です。ただ、実績がない状態では採用される確率が低く、精神的に消耗する時期も正直ありました。
「なかなか採用されない」と感じている方は、一人で抱え込まず、別の方法と並行して動いてみることをおすすめします。そこで出会ったのが、次にお話しする「交流会」という場でした。
交流会に参加してみた:名刺を渡しまくった話

クラウドソーシングで思うように案件が取れない時期に、「リアルの場で人と繋がってみよう」と思い立ち、地域の小さなビジネス交流会に参加してみました。
正直、最初はとても緊張しました。自分よりキャリアのある人ばかりに見えて、「駆け出しの自分が行っていい場所なのかな」と不安でいっぱいでした。
名刺を作って、渡しまくった
交流会に参加するにあたって、まず名刺を作りました。Webデザイナーらしく、自分でデザインした名刺です。ちょうどCanvaで簡単に作れたので、シンプルでおしゃれなデザインに仕上げて、QRコードでポートフォリオに飛べるようにしました。
交流会当日は、とにかく声をかけて名刺を渡すことを目標にしました。「Webデザインを始めたばかりで、今ちょうどいろんな方と繋がりたくて来ました」と正直に話すと、多くの方が「どんなことができるの?」と興味を持って聞いてくれました。
「実は名刺のデザインも、今日配っているこれを自分で作ったんです」と言うと、「え、すごい!センスあるね」と反応してもらえることも。自分のデザインした名刺自体が、「この人デザインできるんだ」という証明になるのだと気づきました。
交流会で大切だったこと
交流会に参加して気づいたのは、「仕事をください」というスタンスで動いても上手くいかないということ。それよりも、「相手の仕事や悩みに興味を持ちながら話す」姿勢のほうが、結果的に「ちょっとお願いしてみようかな」という気持ちになってもらいやすかったです。
一度参加しただけでは仕事にはつながりにくいですが、同じコミュニティに継続的に顔を出すことで、少しずつ「あのWebデザイナーの人」として覚えてもらえるようになります。
交流会でモニターを打ち出したら、案件が動き始めた
交流会に2〜3回参加した頃、「試してみよう」と決めたのがモニター価格でのサービス提供です。
これが、案件獲得の流れを変えた大きな転換点でした。
モニターとは?なぜ効果があるのか
モニターとは、「正式な価格より大幅に低い価格でサービスを提供し、感想やフィードバックをいただく」という仕組みです。
駆け出し期の最大の壁は「実績がないから選ばれない」という悪循環。モニターを使うことで、「お試し感覚で頼みやすい」状況を作り出し、その悪循環を強制的に断ち切ることができます。
また、モニター価格で仕事を受けても「ボランティア」にはなりません。制作物はポートフォリオに使える実績になりますし、「モニター体験者の声」として感想をいただければ、クラウドソーシングや次の交流会でも使える信頼材料になります。
実際に打ち出したモニタープランの内容
交流会で配ったチラシには、こんな内容を書きました。
「【モニター募集3名限定】ランディングページを通常5万円のところ、モニター価格1万5,000円で制作します。制作後にご感想をいただけることが条件です」
「3名限定」という数を絞ったことで希少性が生まれ、「今のうちに申し込まないと」という心理が働いたようです。また、「通常〇〇円のところ」と正規価格を明示することで、モニターであっても「本当にお得な機会」だと伝わりやすくなりました。
交流会でモニターが「売れた」瞬間
チラシを配って話しているうちに、
「ちょうどうちのお店のホームページをどうにかしたかったの」
という方が現れました。
「どんなお悩みがありますか?」と聞いてみると、「今は知人に作ってもらったサイトがあるけど、更新できなくて困っている」というお悩みでした。それならWordPressで作り直せばお客様自身で更新できるようになる、とすぐにご提案できました。
その場でモニターへの申し込みをいただき、これが初めての「リアルからの案件獲得」。その後、同じ交流会でもう1名の方からもご依頼をいただき、モニター3名が埋まりました。
クラウドソーシングで20件以上提案してやっと1件だったのに、交流会では3件が比較的スムーズに決まりました。「顔が見える関係」での信頼の威力を、身をもって実感した体験でした。
モニター終了後:リピートと紹介が生まれ始めた
モニター案件を丁寧に仕上げて納品したあと、予想以上に嬉しいことが起きました。
モニター客様の一人が「知り合いのカフェがサイトを作りたがってたから、紹介してもいい?」と声をかけてくれたのです。
リピート・紹介を生む「納品後の一言」
実は、納品のタイミングで意識的にお伝えするようにしていた一言があります。
「今後もバナーやSNS画像、サイトの更新など、デザインに関することがあればいつでもお声がけください。また、もし周りにホームページやデザインを必要としている方がいらっしゃれば、ご紹介いただけると本当に助かります」
これだけで、「紹介してもいい?」という流れが生まれやすくなります。黙っていても紹介は来ません。お願いすることが大切。少し勇気がいりますが、丁寧な仕事をしたあとのタイミングでのひとことは、とても効果的です。
信頼を積み上げるコミュニケーションの習慣
リピート受注を生むうえで、制作スキル以上に大切だと感じたのがコミュニケーションの丁寧さです。
特に意識していたのは「進捗報告を先回りして送る」こと。クライアントから「進捗どうですか?」と聞かれてしまう状況は、信頼を損なうサインです。聞かれる前に「現在〇〇の作業中です、〇日までにお送りできます」と一言送るだけで、クライアントの安心感が全然違います。
駆け出し期は特に、「レスポンスが速い」「報告が細かい」「納期を守る」という基本的なことを徹底するだけで、ベテランのデザイナーと十分に差別化できます。
ココナラも並行して使った
交流会や知人ルートで少しずつ案件が増えてきたころ、並行してココナラへの出品も始めました。
ココナラは「自分のサービスを出品して、クライアントから選ばれる」スタイルです。クラウドソーシングのように積極的に提案を送る必要がなく、出品しておけばクライアントのほうから来てくれるという特徴があります。
駆け出しでも戦いやすい理由
ランサーズやクラウドワークスはベテランが上位に出やすい構造ですが、ココナラはプロフィールとサービス内容が充実していれば、実績が少なくても上位に表示されやすいという特徴があります。
新しく出品したサービスは一定期間「新着」として表示されるため、登録初期に閲覧数を稼ぎやすいです。このタイミングを活かすためにも、出品前にサービス説明文とキャッチ画像をしっかり作り込んでから公開するのがおすすめです。
キャッチ画像が一番大事だと気づいた
ココナラで最も重要と感じたのが、サービスのキャッチ画像(サムネイル)です。検索結果にずらっとサービスが並ぶ中、まずクリックしてもらわなければ中身を見てもらえません。
・サービス名と内容が一目でわかる文字入れ
・自分の作風・デザインの方向性が伝わるビジュアル
・清潔感と信頼感のある配色・レイアウト
Webデザイナーとして、キャッチ画像そのものが「このデザイナーのセンスはどうか」を判断される材料になります。丁寧に作り込むことで、クリック率が変わってきますよ。
Webデザインの料金相場と最初の価格設定の考え方
「モニター価格でいくらに設定すればいい?」「正式な案件ではいくら請求すればいい?」という料金の問題は、多くの駆け出しデザイナーが悩むポイントです。
制作物の種類別おおよその市場相場
以下は一般的なフリーランスWebデザイナーの相場の目安です(規模・対応範囲によって異なります)。
・バナーデザイン(1枚):2,000円〜1万円程度
・ランディングページ(LP):3万円〜15万円程度
・コーポレートサイト(5〜10ページ程度):20万円〜50万円程度
・WordPressサイト構築:10万円〜30万円程度
駆け出し期は相場より少し低めに設定することで案件を取りやすくなります。ただし、安くしすぎて消耗することには注意が必要です。最低でも「自分の作業時間×時給」を意識した価格設定をすることで、「安く引き受けすぎて損をした」という状況を防ぎやすくなります。
工数ベースで料金を考える
価格設定に迷ったときは、「この案件にかかる時間」から逆算する工数ベースの考え方が参考になります。たとえば自分の時給を1,500円と設定した場合、20時間かかる見込みのLP制作なら3万円が最低ラインです。そこに修正対応や連絡のやりとり分を加えて見積もると、現実的な金額が出てきます。
2026年の駆け出しWebデザイナーが知っておきたいこと
2026年現在、Webデザイン業界を取り巻く環境は数年前と大きく変化しています。
AIツールとの上手な付き合い方
Figma AIやAdobe Fireflyなど、デザインを補助するAIツールが急速に普及しています。「AIにデザインの仕事が奪われる」と心配する声もありますが、現時点では「AIをうまく使えるデザイナーが有利になる」という状況です。
アイデア出しや仮のラフデザインをAIで生成して、そこから自分がブラッシュアップするという制作フローは、作業の効率化にもなります。新しいツールを積極的に試してみる姿勢が、この時代には特に大切です。
フリーランス保護新法を知っておこう
2024年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等に関する法律(フリーランス保護新法)」により、フリーランスへの発注ルールが厳格化されました。業務内容・報酬額・支払期日を書面または電子データで明示する義務が発注者に課されています。
不当な条件での発注や報酬の不払いなどの問題が起きたとき、この法律の存在を知っているかどうかで対応できる範囲が変わります。フリーランスとして活動するなら、ぜひ一度確認しておいてくださいね。(出典:消費者庁「フリーランス保護新法について」)
よくある質問(FAQ)
Q1. スクール卒業直後から案件は取れますか?
A. 取れます。ただし「スキルを学んだだけで自然に来る」ものではありません。ポートフォリオを作る・クラウドソーシングに登録する・交流会に顔を出すなど、「自分から動く」ことが必要です。スクール在学中からポートフォリオ用の自主制作を始めておくと、卒業後すぐに動けますよ。
Q2. 交流会はどこで見つければいいですか?
A. 地域のビジネス交流会はPeatixやこくちーず、地元の商工会議所などで探すことができます。「フリーランス交流会」「女性起業家交流会」「副業・起業セミナー」といったキーワードで検索してみると、参加しやすいイベントが見つかります。オンライン開催のものもあるので、まずは参加しやすいところから試してみましょう。
Q3. モニター価格はいくらくらいが適切ですか?
A. 正規価格の3分の1〜半額程度が目安として参考にされることが多いです。たとえばLPなら通常5万円のところ、モニターは1万5,000円〜2万円、という設定が「お得感」と「プロ感」のバランスが取れやすいです。「無料」にしてしまうとクライアントの要望がエスカレートしやすく、自分も緊張感が薄れてしまうため、少額でも費用をいただく形をおすすめします。
Q4. クラウドソーシングとスキルマーケット、どちらを先に始めるべきですか?
A. どちらが先でもよいですが、「能動的に提案を送れるクラウドソーシング」と「出品して待つスタイルのスキルマーケット」は性質が異なるため、両方を同時に登録して並行させるのがおすすめです。クラウドソーシングで積極的に動きつつ、ococonalaは育てていくイメージで運用していくと、どちらかに依存せずに案件の入り口を複数持てます。
Q5. 副業として収入が出始めたら、確定申告は必要ですか?
A. 副業の年間所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要です。開業届の提出は義務ではありませんが、提出することで青色申告が使えるようになり、節税につながる場合があります。詳しくは税務署や税理士への確認をおすすめします。(※本記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な税務・法律アドバイスではありません)
まとめ:案件を取り続けるために大切だったこと
振り返ると、案件が安定するまでには「ひとつの方法だけに頼らず、複数の入り口を試した」ことが大きかったと思います。
クラウドソーシングで提案し続けながらも、「なかなか採用されない」という現実を受け止めて、交流会という別の場所に動き出したこと。そこでモニターという打ち出し方を試したことで、一気に流れが変わりました。
この記事の重要なポイントを整理するとこんな流れです。
・まずポートフォリオを作る(自主制作でOK)
・サービス内容を具体的にわかりやすく整理する
・クラウドソーシングに登録してプロフィールを整え、提案を続ける
・採用されない時期こそ、交流会・リアルの場に出て行く
・名刺を作って渡し、モニター価格で実績を作る
・丁寧な仕事と進捗報告でリピート・紹介につなげる
うまくいかない時期は誰にでもあります。でも、「どこかで必ず動きが変わるタイミングが来る」と信じて、できることをコツコツ続けていくことが、遠回りのようで一番の近道だと感じています。
【今日からできる3つのアクション】
1. 自主制作物を1点作り始める(架空案件でOK)
2. 地域の交流会やオンラインイベントをひとつ検索してみる
3. ococonala・クラウドワークスのどちらかに登録し、プロフィールを整える
一歩動き出せば、次の景色が見えてきます。あなたが駆け出しWebデザイナーとして案件を取れるようになる日を、心から応援しています。